Tokyo International Clinic

メディカルコラムMEDICAL COLUMN

宮崎 郁子 東京国際クリニック/ 医科 副院長
メディカルコラム vol.3
寒い時期に気をつけたい身体のこと
〜消化器編〜
宮崎 郁子東京国際クリニック/ 医科 副院長

消化器内科 医学博士
2015年4月から東京国際クリニック消化器内科勤務。
2016年8月より医科 副院長。

逆流性食道炎

年末年始はどうしても暴飲暴食が増えてしまいがちです。しかも忘年会続きで寝不足の人も多そうですね。でも食事もお酒も詰め込みすぎは身体に良くありません。一般的に12月になると胃潰瘍、十二指腸潰瘍の症例が多くみられます。また、過度のアルコールの影響により肝機能も悪化する方も見受けます。個人差はありますが、ワイン2杯程度が適量です。その際はチェイサーとして同量のお水と一緒飲むことを忘れないでください。
逆流性食道炎は最近日本でも増えてきた病気の一つです。胃酸が食道に逆流して起こる病気で、胸やけや、苦い水がのどを上がるような違和感、げっぷ、お腹の張りなどの症状が見られます。一般に

  • 1油っぽいものを頻繁に食べる人
  • 2ストレス過多の人
  • 3肥満気味な人
  • 4腰の曲がった人
  • 5ピロリ菌のいない人

などがなりやすいと言われています。逆流性食道炎は内視鏡でないと発見できない疾病です。胃透視では、バリウムが食道をあっという間に通り過ぎてしまうため、食道の状態はわかりにくいのです。内視鏡であれば逆流性食道炎の他に早期の食道がんも発見できます。東京国際クリニック/医科では食道はNBI画像を利用し粘膜表面のわずかな血管の情報を読み取りながら診断しています。

身体に優しい料理

逆流性食道炎や胃炎・胃潰瘍の人にお勧めするのが胃への負担を軽くするため工夫された料理です。
ポイントは《お・な・か・に・や・さ・し・い》です。
✿おろしたり、すりつぶしたり
✿なるべく細かく切って
✿かわ(皮)、スジ・種は取り除き
✿にく(肉)の脂も取り除き
✿やわらかく煮て
✿さとう(砂糖)も塩も控えめに
✿しげき(刺激)の強いものは避け
✿いつもの時間に規則正しく。
これらのポイントを踏まえた食事を摂るように心がけることで、逆流性食道炎などを防ぐとともに万一、逆流性食道炎になってしまった時も、身体に負担の少ない食事となります。特に暴飲暴食の続くこれからの時期は、自宅でだけでもこういった料理に注目してみてください。
さらに「消化に良い」食材選びも大切です。

食材選び

野菜の場合、消化に良い食材は、根菜類(大根・ニンジンなど)、葉菜類(キャベツ・ブロッコリー・白菜など)などです。逆に消化に悪い食材は、繊維質の多いセロリやゴボウ、きのこ類など。果物の場合、りんご・バナナ・イチゴは消化に良いですが、柑橘類や柿などは消化に良くありません。
タンパク質に関しては基本的に肉でも魚でも脂の少ないものが消化に良いと覚えましょう。肉なら鶏ささ身、豚ヒレや赤身ひき肉、魚なら白身魚やサケなどです。卵は固ゆでよりも半熟がより消化に良いとされています。また豆類の場合、豆腐や納豆のような加工品が消化に良い食品です。その他、牛乳やヨーグルトなどの乳製品も消化に良い食材です。
主食ではお粥やパン、柔らかく煮たうどんなどもおすすめです。
逆に脂の多いベーコンや油揚げ、ケーキやまんじゅうなどの甘いもの、刺激の強い香辛料は胃酸を増やす原因となります。お酒や炭酸飲料、コーヒーなども避けた方が良い飲み物です。
ご本人だけでなくご家族全体で食材や料理にも気を遣い、お腹にとって優しい食生活を送ってください。それでも逆流性食道炎で見られるような症状や違和感を覚えたときは、消化器内科にお気軽にいらして下さい。