Tokyo International Clinic

メディカルコラムMEDICAL COLUMN

清水 智幸 東京国際クリニック / 歯科
メディカルコラム vol.17
お口はアンチエイジングの入り口
清水 智幸東京国際クリニック / 歯科

歯学博士 歯周病専門医
東京マキシロフェイシャルクリニックより名称変更を経て2015年7月より東京国際クリニック / 歯科 院長

歯茎に潜む歯周病

「いつまでも自分の歯で食事をする」これに勝るものはありません。丈夫で健康な歯があってこそ成しえることです。歯は審美的にもアンチエイジングの確たるものであり咀嚼をして栄養を体内に取り入れるための導入口でもあります。いつまでも見た目や身体の中も元気で若々しくありたいですよね。
東京国際クリニック/歯科には、歯周病で悩まれている方が多く来院されます。日本人が歯を失う最大の原因は「歯周病」です。昔は歯を失った場合、歯を補う治療法は入れ歯しかありませんでしたが、今はインプラントという選択肢があります。インプラント治療とは、失った歯の代わりにチタン製の人工歯根(インプラント)を埋入し、歯本来の機能や見た目を取り戻す治療です。インプラントは自分の歯に近い感覚で噛めますし、見た目も天然歯(自分の歯)と変わらないなどメリットの多い優れた治療ですが「万能」というわけではありません。当然、天然歯のほうが優れています。ご自身の歯を1本でも多く残すためには、歯茎が歯周病に侵されないよう定期的に歯周病専門医に診てもらうこと、万が一歯周病にかかっていたならば、まずは歯周病を治すことが最も重要です。インプラント治療においても同じです。歯を残せる可能性があるにもかかわらず「歯周病は治らない」と診断され、歯科医院でインプラントを選択されたり、歯周病が治っていない状態でインプラント治療をするのは非常に大きなリスクを伴います。

インプラント治療の「落とし穴」

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため本来動くことはありません。ただしインプラントは骨と直接結合するため、天然歯に比べると細菌に対する抵抗力が弱く、いったん炎症が進むと天然歯よりも進行が非常に速いということがわかっています。そのためインプラント治療をする前に歯周病治療が欠かせません。歯周病治療を怠ってしまうと、せっかく入れたインプラントの部位からの出血や膿が出たり、動揺(ぐらぐら揺れること)が生じるなど、様々な不具合が生じます。最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまいます。これがインプラントを台無しにする「インプラント周囲炎」という病気です。
インプラント周囲炎は、インプラントに生じる歯周病に類似した病気ですが、骨がなくなる原因やメカニズムは歯周病と同じです。「炎症を起こしにくい」「出血しにくい」「痛みがない」「かなり進行しても不自由なく食事ができる」など、歯周病以上に気づきにくいのが厄介なところです。加えて、進行するのが非常に速く、歯周病の約10~20倍の速さで悪化していきます。そのため、症状が出たときにはかなり重症化しているというケースが多く見受けられます。

<インプラント周囲炎の初期症状>
痛みや出血
歯茎の腫れ
膿が出る
歯茎が下がる
など

『インプラント治療の失敗をまねく最大の要因』とも言われるインプラント周囲炎ですが、口腔内にインプラントの本数が4本を超えるとインプラント周囲炎のリスクが高まるとされています。これはエビデンスに基づく結果です。ただし、だからと言って「4本以上はインプラントを入れません」ということではありません。本数が増えれば増えるほど高いリスクを伴うからこそ、当院ではインプラント周囲炎にかからないためのインプラント治療を取り入れています。一つは、インプラントにかぶせる人口の歯「補綴物の形態」です。歯周病もインプラント周囲炎も、病気の原因はプラーク(歯垢)によるものです。正しいブラッシングができていないがために、歯茎にプラークが溜まり、それが引き金となって病気を誘発させます。そのため、被せものは、歯ブラシの毛先がしっかり届く形状にしてあります。この小さな施策が『リスクを最小限にする』という大きな結果を生むことになります。そしてもう一つは「正しいブラッシング」です。治療が終わったあとも、3か月毎の定期的なメンテナンスにご来院していただくことで、みなさまが将来1本でも多くご自身の歯で食事をし、インプラント治療で得た歯がインプラント周囲炎にならないよう、徹底した再発防止の施策をご提供いたします。