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メディカルコラムMEDICAL COLUMN

峯岸 祐之 東京国際クリニック / 形成外科  毛髪治療 美容外科
メディカルコラム vol.16
眼瞼下垂
峯岸 祐之東京国際クリニック / 形成外科 毛髪治療 美容外科

千葉大学医学部卒、東京大学医学部附属病院形成外科、武蔵野日赤病院形成外科、神奈川クリニックを経て、東京マキシロフェイシャルクリニック勤務。
2015年7月から現職に。

眼瞼下垂(がんけんかすい)をご存知でしょうか?

眼瞼下垂は、簡単に言ってしまうとまぶたがたるみ、眼が十分に開かなくなる状態です。加齢によってまぶたを上げる筋力が弱まることで眼瞼下垂は起こります。白内障と一緒で誰しも必ずいつかは眼瞼下垂になります。立ち上がった状態で生活していれば、長い年月を経て自然とまぶたは下がってきてしまうからです。老化現象の一つと言ってよいでしょう。

まぶたが開きづらくなると、物を見る際にあごを上げる姿勢をとったり、眉毛をあげることで目を開けようとするため、額にしわが寄ったりします。明らかに目を開けるのが大変になってきたり、視野がかぶってくるというのは分かりやすい症状です。また無意識のうちに無理やり目を開けるようにしていると、目の周りの筋肉の緊張が続くことで、肩こりや首こりの症状が出る場合もあります。さらに、ミュラー筋という自律神経に繋がる筋肉の緊張で、頭痛や自律神経失調症などが発症することがあります。眼瞼下垂はこういったさまざまな症状が出てくる可能性もあります。ただ自分ではちょっと分かりにくい症状です。眼科や眼鏡店で自分は開けているつもりでも「もっと目を開けてください」なんて言われたら要注意です。前述のような症状もあるようでしたら早めに診察を受けてください。

眼瞼下垂を治療するには手術が必要です。現在の日本の高齢化社会を考えると、いずれは誰しも必要な手術になると思います。ただそれをいつやるかは人それぞれです。生涯1度で済む方もいれば、50歳代で受けて、70歳代で再び受ける方もいます。

程度が軽ければ、まぶたの裏側から糸を入れて、二重を作る埋没法と同様の施術を行います。これで皮膚をたくしこみたるみをなくします。重度の眼瞼下垂はたるんだ皮膚を切らなければなりません。皮膚だけでなくまぶたを開け閉めする筋肉も次第にたるんできて伸びてきてしまいます。ひどい症状の場合、皮膚も切除し、伸びた筋肉もしっかりと上げるという手術が必要になってきます。

まぶたの筋肉は、表側からは皮膚と脂肪に守られていますが、裏側は結膜という薄い膜があるだけです。裏側は筋肉までの距離が近くに筋肉に刺激を受けやすくなっています。そのためアトピーや花粉症で常にまぶたを擦る習慣のある人は、眼球とまぶたの裏側の筋肉を常に擦り合わせている状態になり、筋肉に余計な負担をかけてしまいます。また、コンタクトレンズを長期使っている方も眼瞼下垂を起こしやすいです。コンタクトレンズは10年・20年というスパンで使うと、やはり徐々に裏側から筋肉を擦ることになります。特にハードタイプのコンタクトレンズの方は要注意です。

眼瞼下垂は、皆さんに必ず起こりえます。自分ではゆっくりの変化で気付かないかもしれませんが、気になる方は、早めに診察を受けに来てください。男性は見た目や自分の顔にあまりこだわらない方が多いかもしれません。でも目の周りの手術は、とても有意義です。より若々しい本来の顔に戻れるのですから。自分の顔がどう見られているか?ちょっと気にしてみませんか。

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