Tokyo International Clinic

メディカルコラムMEDICAL COLUMN

峯岸 祐之 東京国際クリニック / 形成外科  毛髪治療 美容外科
メディカルコラム vol.40
食いしばり・強い噛みしめを治療する
~咬筋へのボトックス注射~
峯岸 祐之東京国際クリニック / 形成外科 毛髪治療 美容外科

ストレスによる食いしばりや強い噛みしめ

最近、睡眠をとっている間に食いしばりや歯ぎしりをすることが多いというお話をよく聞きます。起きているときにも、ストレスなどでぐっと歯を食いしばるような癖のある方もいらっしゃいます。プロ野球選手やプロゴルファーが球を打つ瞬間に、歯を噛みしめるということもよく聞きます。中には、自分の体重くらいの力が歯にかかるということもあるそうです。
睡眠中、ご本人は無意識のうちに食いしばりや歯ぎしりをしているので、それほど自覚はされていないのですが、歯のすり減りやヒビが入るなど、歯に大きな負担がかかったり、エラの発達や徐々に顔貌が変化するような重症例もあり、「睡眠時ブラキシズム」というのが正式な疾患名です。さらに、食いしばりが進むと「顎関節」という耳の前にある関節がカクカク音がしたり、口全体が開きにくくなったり、顎などに痛みが生じるようになって来院される方もいます。また、顎関節のズレが原因で、頭痛や肩こりなどの症状が現れる方もいらっしゃいます。

食いしばりに対する治療法

痛みや顎関節の動きの制限、違和感がある場合は早めに治療されたほうがよいでしょう。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤も処方します。睡眠時に生じる場合はバイトブロックと呼ばれるマウスピースをつけて寝ていただくと歯の保護にもなります。ただ、このマウスピースは違和感があり、鬱陶しいとか面倒だと言われる方もいますので、補助的な方法として筋肉の働きを弱めるボトックス注射による治療も有効です。
耳の前の頬骨(ほほぼね)から下顎角(エラの角)に向けてベルト状の「咬筋(こうきん)」という筋肉があります。その筋肉の下端にごく少量のボトックスを3か所ほど注射して筋肉の動きを抑制します。この治療を行うと、「非常に楽になった」「気にならなくなった」という感想をいただきます。食いしばりや歯ぎしりは無意識のうちにおこるので、この治療法は不快な症状を和らげてQOLも向上すると思います。

ボトックス注射剤

当クリニックで治療に使うボトックス注射剤は、厚生労働省の認可を受けた信頼性の高い薬剤で、しわ取りなど他の治療に臨床でも長年使用されているので安心です。1度注射をして3~4か月間経過を観察します。万が一、体質に合わなければその時点で中止することもできます。
本来、我々は睡眠時に口をそれほど強く結んでいないものです。睡眠時に歯ぎしりや食いしばりをされている方は、短い時間の覚醒状態が続いてこのような症状が出ているものと思われます。治療をすると咬筋も緩みバランスもとれて、睡眠自体の改善も図れると考えます。

さらに、形成外科の分野では「小顔」の治療として行うことがありますが、その際にもボトックス注射での治療後に噛み合わせがとても良くなったという感想をいただくことが多く、顔貌と食いしばりには密接な関係があることを感じさせます。
加えて、ボトックス注射療法はご本人への負担が少ない代わりに効果は劇的で、治療効果を実感されるリピーターの会員様も少なくありません。

当クリニックでは歯科との連携を密に図り、会員様の症状によっては歯科医師とも情報交換を行って、1日も早く痛みや違和感からの解放が可能になるよう努めております。

「噛む」という行為は、毎日食事の度に必要な動きです。咬筋などの筋肉に過剰な負担がかかっていると、首や肩などの筋肉にも炎症が起きやすくなり、頭痛や肩こりなど、さらに生じる痛みや違和感が別のストレスを生むこともあります。こうした自覚症状のある方はもちろん、睡眠時にご家族から歯ぎしりや食いしばりがあると言われている方、エラが硬く肥大していると感じる方、口を大きく開けづらい方などは、ぜひ当クリニックにご相談ください。

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