Tokyo International Clinic

メディカルコラムMEDICAL COLUMN

メディカルコラム vol.22
合併症が怖い糖尿病を防ぐために
池田 奈帆子東京国際クリニック / 代謝内分泌科

東京国際クリニック / 代謝内分泌科
2007年 弘前大学医学部卒業
2009年~国立国際医療センター 糖尿病代謝内分泌内科勤務
2011年~大森赤十字病院 糖尿病代謝内分泌内科勤務
2012年~国立国際医療センター 糖尿病代謝内分泌内科勤務
2012年~上田腎臓クリニック勤務
2016年~東京国際クリニック / 医科
腎臓内科(現在に至る)*非常勤

糖尿病の予備軍を含めると1,000万人

厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」によれば「糖尿病が強く疑われる者」の割合は12.1%で約1,000万人もいると推定されています。そのうち現在治療を受けているのは約77%でこの数は毎年増加してきています。特に40歳代男性では治療を受けている割合が他の年代よりも低いことが挙げられ、働き世代の中心にいて身体よりも仕事優先という背景が見えてきます。
糖尿病には、膵臓のβ細胞が破壊されインスリン分泌が行われない1型と、インスリンの分泌量が不足したり、はたらきが悪い2型とがあります。日本では全糖尿病患者の約95%が2型糖尿病です。

糖尿病の3大合併症

「糖尿病は怖い病気」と言われるのはなぜでしょうか。それは、神経障害、網膜症、腎症という3大合併症を引き起こすからです。これらはいずれも患者様のQOLを下げる重大な疾患です。
糖尿病性神経障害は、足のしびれなどから始まり、次第に足先の感覚がなくなります。やがて発汗異常、立くらみ、勃起障害(ED)などのさまざまな症状が出てきます。
糖尿病網膜症は病期が3段階(単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症)に分類され、2段階辺りまではほぼ自覚症状がありません。急に眼底出血を起こし、最悪は失明に至ります。糖尿病性腎症は、腎臓のはたらきが低下して体内に老廃物が溜まり「尿毒症」を起こします。悪化すると透析をしなければなりません。
これらは細い血管に見られる障害です。大きな血管に見られる障害としては、脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、末梢動脈疾患などが挙げられます。

人間ドックでわかる糖尿病

人間ドックや健康診断で行われる血液検査の項目には「血糖値」「HbA1c」があります。これらが糖尿病であるかどうかの指標になります。空腹時血糖値が126㎎/dL以上、食後2時間の随時血糖値が200㎎/dL以上では糖尿病を疑い、2回検査して同様の値が出ると糖尿病と診断されます。
さらにHbA1cは、検査前1~2か月の血糖の状態がわかる重要な指標です。6.5%以上で、血糖値と受診される方の症状(のどの渇き、多飲、多尿)などを勘案して糖尿病と診断されます。

糖尿病の治療は大きく3つ

糖尿病と診断されると治療が始まります。一般的に方法は食事、運動、薬物療法で、先ずは、食事、運動療法から始め、食生活や運動などの生活習慣の見直しを管理栄養士などから指導されます。不十分であると薬物療法を開始します。
さらに初めて診断された方や血糖コントロールが悪い場合には、教育入院も行われます。これは血糖値が高い原因精査や合併症の評価、治療調整を行うために短期間入院していただくもので、治療だけでなく食事や運動など、日常生活において糖尿病との付き合い方を学んでいただくことを目的としています。
自己注射を行っている患者様には、1日2回程度の血糖測定も行っていただいています。血糖測定器を使い採血をして血糖値を測り記録します。最近ではパッチ型の測定法も開発され少しずつ使われ始めています。
薬物療法では内服薬と注射薬を使います。内服薬は血糖降下薬と呼ばれ、インスリンの効きをよくするタイプやインスリンの分泌を促進させるタイプ、過剰な糖を排泄させるタイプなど数種類あります。
またインスリン療法の注射薬には、インスリンとインスリン以外の薬剤GLP1製剤があり、1日1~4回自己注射を行います。インスリン注射の針は通常の針(採血で使うもの)より細く、ほとんど痛みを感じず、使いやすいペン型です。

糖尿病を未然に防ぐために

2型糖尿病は、規則的でバランスのとれた食事と運動によって未然に防ぐことができます
もし、診断されても食事、運動療法も糖尿病合併症予防が大切です。糖の消費をサポートする「5-アミノレブリン酸(ALA)」のサプリメントなどの活用もおすすめです。
ご家族に糖尿病の方がいらっしゃりご自身も糖尿病が心配な方や、血糖値が高めと指摘された方、糖尿病予防に興味がある方は、ぜひご相談ください