Tokyo International Clinic

メディカルコラムMEDICAL COLUMN

高橋 通 東京国際クリニック / 医科院長・循環器科・抗加齢医療
メディカルコラム vol.42
男性の更年期障害 LOH症候群
(加齢性腺機能低下症)
高橋 通東京国際クリニック / 医科院長・循環器科・抗加齢医療
 

「最近どうも疲れやすい」「仕事に集中できない」「一日中だるい」「イライラすることが多い」「性欲がない」このような声を40歳代以上の男性からよく伺います。これらは不定愁訴と呼ばれ、更年期障害の症状の特徴とぴったりと符合します。
従来は「更年期障害」と聞くと閉経前後の女性の疾患と思われがちでした。しかし最近では男性にも同様の更年期障害があることが少しずつ分かってきました。早い方は40歳代から始まる様々な症状のある症候群です。

多種多様な症状

テストステロン(男性ホルモン)が減少すると様々な症状が発現します。主な症状は・・・

うつ症状/内臓脂肪の増加/性欲減退/朝の勃起回数減少/骨粗しょう症などですが、この他にも不眠、肩こり、筋力低下、頻尿、筋肉痛などもあり、さらに女性の場合と同じく、ほてり、のぼせ、手足の冷え、多汗なども挙げられています。
また、テストステロン減少により全疾患での死亡率、心血管系疾患の死亡率、がんによる死亡率も高くなるという報告もあります。加えてテストステロンと転倒の相関を見た研究では、テストステロンの減少で転倒しやすくなると結論づけています。

原因となるもの

ヒトは様々なホルモンのバランスによって生きています。性ホルモンもまた然りです。若い頃には十分にあった男性ホルモン(テストステロン)も加齢と共に徐々に減少していきます。体内でテストステロンを作り出す機能も加齢と共に衰え、ホルモンバランスが崩れて様々な症状となって現れるのです。また、ストレスや環境からの影響も考えられます。

検査は容易

検査は容易です。下に掲げた問診票に答え、血液検査を受けるだけです。血液検査ではホルモンを作り出す大元であるDHEA-sの値や男子ホルモンの一種であるテストステロン値、前立腺の状態を示すPSAなどの項目に沿って行われます。

治療について

治療はテストステロンの補充療法で行います。この療法は、血中の遊離テストステロン値が8.5pg/mL未満で症状を伴う場合には、まずお勧めします。11.8pg/mL未満の方には、適用治療を検討します。
テストステロン製剤125mgを筋肉注射でを2~3週ごと、もしくは250mgを3~4週間に1度投与します。さらに軟膏製剤もあり、これは顎の下や陰のうの裏などに塗布するという方法です。

以下の方にはこの補充療法は実施できません。
  • 前立腺がんの方
  • 重度の肝機能障害の方
  • PSA2.0ng/mL以上の方
  • うっ血性心不全の方
  • 前立腺肥大の方
  • 重度の高血圧の方
  • 乳がんの方
  • 睡眠時無呼吸症候群の方
  • 多血症の方
テストステロン製剤の副作用
  • ニキビ
  • 多血症
  • 肝機能検査値の異常
など

その他の疾患との関係

テストステロンはメタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、動脈硬化などと関連があるとの報告もあります。糖尿病の方の約半数はED(勃起障害)がみられますし、70%の方には冠動脈病変もあると言われています。

男性更年期障害の予防

加齢と共に自然に減少するテストステロンの低下を予防することはなかなか困難ですが、ホルモンの母であるDHEAの働きによってリスクを減らすことも可能です。DHEAはサプリメントで補うことができます。
ED治療の薬効をより高め、血管を拡張する活力の素、アルギニンやシトルリンを含むエナジー系のサプリやコエンザイムQ10、亜鉛などのサプリメントもお勧めです。
生活習慣としてはお酒や油ものの多い食事を控えめにすることや、筋肉に負担をかけることでテストステロン量が増加することも証明されていますので、適度な筋肉トレーニングも大切です。さらに副交感神経が優位になる良質な睡眠も症状の改善と予防に繋がります。

*DHEAは海外ではサプリメントとして市販されており、健康意識が高いビジネスエリートは積極的に摂取されています。日本では、医薬品の指定を受けているため、医療機関でないと入手ができません。当クリニックではGMP(Good Manufacturing Practice)準拠の厳しい管理による品質のサプリメントを採用しております。

当クリニックでの診療

アンチエイジングを標榜する当クリニックでは、人間ドックのメニューの中にすでにホルモン系の検査の入ったドックをご用意しており、わかりにくい不定愁訴から男性更年期障害を見つけ出し、治療させていただいております。また、男性更年期外来での治療メニューもございます。私も循環器が専門ですので男性更年期障害からくる様々な症状に耳を傾けながら、循環器疾患への影響などを多角的にアプローチさせていただきます。最近、何事にもやる気が出ない、疲れやすい、イライラするなど不調を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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